Fuji TX -1のパノラマプリントの手順は手焼き同様の難しさです。しかもB&Wフィルムです、伝わるのかな?

こちらは、プリントする時のCRTの画面です。黄昏時の撮影のようです。ネガが極端に薄いネガになっています。左のモニターのNの文字は、何もしていない状態です。ネガマスクにネガを挟んだだけという状態です。モニター下段のMS *というのは、ネガを管理しているネガチャンネル上不明でどこの何というフィルムかは分りません。という状態です

ネガを覗き窓から見た状態です。焼き手の臨場感が伝わりますでしょうか?

99チャンネルしかないネガチャンネルに,イルフォードXP-ⅡとかKodakBW400とかも含め99のチャンネルは、主な過去のネガデータを保存しておきますと慢性的チャンネル不足に陥っております。

画面下部にあるMSの所にイルフォードという文字が見えていますが、こちらがイルフォードのアルゴリズムを呼び出したという事になります。色調の補正は、済ませております。ここでは濃度の調整のみです。

この状態で露光しますと、失敗をしますので、濃度の調整にはいります。画面左側の濃度表示がDー A になっていますが、キーが D ー10を示しています。更に濃度を明るくしなければなりません。調整値は15の段階しかありません。

この状態でも露光不足になりますので、更に露光調整します。濃度が Dー C という事はDー13という意味です。覗き窓か見た濃度とモニターの画面が一致するように、チャンネルのバランスも事前に調整しています。こんな塩梅で、丁度いいのかなという事で露光します。

2秒ほどこちらの画面が出て、印画紙に露光をします。

このオレンジ色の光線を出している時がハロゲンランプから露光中なのですが、その間にも調光フィルターで、1670万色のカラー調整しています。

正面の白いパーツは、ブローニー用のミラートンネルというパーツです。35mm用と2Bのブローニー用のものがあります。光源のムラを作らないように万華鏡の中のミラーのような構造になっていて、経年劣化で黄ばむパーツでもあり、喫煙OKの写真店のミラートンネルはニコチンで黄ばみ、見られたものではありません。当然当店も禁煙です。

今は亡くなっておりませんが20年くらい前、ご近所のお得意さんのMさんというお客様がくわえ煙草でこられ、禁煙ですと入店を断りました所、いきなり床に煙草を捨て、足でもみ消した跡がいまでも自動ドアの前にあります。煙草は、ネガに対しても悪さをします。

焦点の合っているダイアルが、問題の多いつまみで、セットアップフィルターのつまみです。印画紙を変える時にも、焼増しの時にも、ミラートンネルを外しブロアーで吹きます。そんな作業よそでは聞いた事がないとサポセンの人に言われた事がありますが、ネガの先頭の駒にゴミが載るので、コンプレッサーで其の都度飛ばします。それでもゴミ焼きが出るときは出ます。目に見えない敵 静電気との戦いです。つまみの先にある調光フィルターの事は以前話題にしましたので省略します。

ミラートンネルを外しますと、自作のマスクが見えます。このようなサイズは売られていないので、Do it yourself で作るしかありません。ドイトで合成ラバーを取り寄せ、カッターで切って作ります。天然ゴムでやらない理由は、柔らかすぎてコシがない。天然ゴムがいいかというと。そうでもありません。金属が一番で2番は樹脂でしょうが、熱に対して、変形が怖いのと価格ですね。

ネガマスクを海外からも調達してさまざまなサイズに加工して銀塩写真を細々と継続しています。TX-1の銀塩写真のプリントを、このような面倒な事までして焼いているお店が他にあるのかな?35mmのネガマスクならパノラマが比較的正確にプリントが出来ます。あとやるなら、手動の引伸し機でやるしか思い当たらないな?

B&Wネガからの銀塩写真のプリントです。