銀塩写真である事

あるヘビーユーザーのお客様との話なのですが、50年前のレンズをいくつもテストされているのですが、
デジプリントですと、Lサイズ・KGサイズ・2Lサイズにプリントしても、微妙さが表現されない。

しかし、銀塩写真で焼いた場合、KGでも2Lでもレンズの味が、はっきり表現される。要するに相性がいいという事です。

フィルムで撮影したものは、アナログでプリントした方が良い訳です。何故、その事を大多数の人は、気づかず理解できないのか分からない。


当時のコンタックス・ライカのレンズは、1本1本微妙に出来が違うという。当然、レンズもカラーコーティングされていない物があったり様々です。

カラーコーティングされていないレンズを同じ空間で交換して撮りますと、黄色味が出ますが、補正も可能です その描写性はすばらしい。の一言です。


描写テストとかの局面ではこちらもこんなテストをします。当店のQSS二三型は2個のズームレンズでプリントします。時々テストしなければなりません。

自動でフォーカスを移動させながら、レンズの最適な位置の確認が出来ます。



基本フィルムをケミカル処理し、ハロゲン光という光線で、アナログ用の印画紙でプリントする
写真の171年の歴史のほとんどの時代で、光線を感光材に留め定着したり、プリントしたりという歴史です。


表現方法の違う物を、似ているからといって一括りで語る事は間違いで、そもそもが一番重要であって、フィルムカメラ銀塩写真を作る為に作られた物です。


カメラの機能としてのデジタルカメラと、銀塩写真を作る為の撮影道具としてのフィルムカメラを切りわけて議論しないときちんとした議論にならないし、発展性がない。


小説も書く有名カメラマンがデジタルカメラは、フィルムを越えたと声高に、文字も入れられるとしてFMラジオで語っていました。

デジタルカメラはデジタルデータとして活用し、様々なデバイスで活用して、日進月歩で画素が上がっております。

20世紀末にデジタルという電気を使った表現の物をデジタル写真として、写真という一括りにしてしまった
と言う経緯があります。記録されたデータは飽くまでも、0と1の信号化されたデータです。


動画もどんどんサイズが大きくなり、映画のカメラとしても活用されて、進化を遂げています。
繰り返しになりますが、銀塩写真をつくる為のフィルムカメラであり、銀塩写真を作る為のツールです。


デジタルは別ものです。その別の表現の物をあたかも、銀塩という表現を支配するように
写真関連の業界団体がLサイズ150万画素程度、2L300万画素と決めたんですね。理由は、人の視力の関係で300dpiで問題ないとしたとも言われております。
大多数のユーザーが利用するのが、Lサイズ、2Lサイズ、KGサイズです。ここがどうしても中心になります。


ある意味ここに、私はユーザーにとって不幸があり、せめて600〜800万画素位から、まだスタートしていれば良かったのですが。レーザーとか、インターフェイスの性能の問題も当時はあったのでしょう。



ブローニーフィルムDXコードで管理できないので、ほぼ手焼き状態で、しかもネガマスクの正規品をフルセットで持っていないので、コストパフォーマンスが全く合わないし、ゴミ焼きもでるし、この大変さを理解してもらうのは、中々難しいですね。


今回の『忘れまじ東北』ですが、東北のリアス式海岸地帯に住み被害に遭われた方には、酷だと思うのですが、
良い写真ではありませんが2枚の写真を比較してみて下さい。

ランドスケープとして、冷静に見てみますと、木がないところは、危険地帯であることがはっきり分かるかと思います。
『忘れまじ東北・釜石』

2枚目の写真は、左側に100m以上も上にあがった辺りの集落のコンクリートの壁に刻まれた津波の痕跡です。
波打ち際ではありません。
復興対策や街作りには、この事を、しっかりとふまえてやらなければならないと改めて感じます。
『忘れまじ東北・釜石』