T先生からデジタルデータの儚さのメールを頂戴致しました。そして調べてみましたら、、、

永くBLOGを書いていますと数年後に指摘していた事が現実化すると言うことが起きます。
以前BLOGでフランスの国際映画協会の地下の映画フィルム倉庫の事を書きました。フィルムの凄さを再確認出来るものでした。

また何年も前に、風と共に去りぬを題材に書きましたが、米国の映画監督のマーチン・スコセッシが、映画フィルムが退色する事を、2001年宇宙の旅を見て気づきその後撮影した映画レージングブルをB&Wでとった話は有名です。業界(Kodak)への彼の『抵抗』だった事は有名です。時代はループして戻って来るんですね。



こんな記事をT先生から紹介されました。『500年後にもジブリ映画を映画フィルム 保存用に活路』というものでした。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20140514/264570/?P=1


2010年に29%だったデジタル上映館が3年で96%にたかまり、フィルム上映館4%にまで落ち込んだということです。


しかし、デジタル映画は長期保存には向かないデジタル映画の最大の欠点として、長期の保管に向かない点が挙げられる。デジタルデータ自体が劣化することは原理上ないが、そのデータを保存しておくハードディスクやフラッシュメモリーなどの記録媒体、そして読み取る側の機器やソフトは劣化してしまう危険性がある。読み取り時の不具合などにより、一瞬でデータが消えてしまったり、読み取れなくなったりするリスクも高い。数年間は安心でも、どれだけ長期的にデータを残せるか明確に言えない。



スタジオジブリでは、昨年公開した「風立ちぬ」と「かぐや姫の物語」のデジタルデータをフィルムとして保存することを決めた。期待される保存寿命はなんと500年。邦画の新作映画として、デジタルデータのフィルム保存するという。

デジタルデータから3色(赤・緑・青)それぞれのデータを保存用の白黒フィルムに焼きつけ、黒と白だけのフィルムにする。カラーのままだと100年ほど経つと退色してしまうが、黒&白は500年経っても色が変わらない特性を持つためだ。

富士フイルムがこの保存用フイルムを発売したのは4年前にさかのぼる。この黒&白の状態のまま、温度10度以下、湿度50%以下の環境でフィルムを保存すると、500年間同じ品質を維持することができる。再度色を重ねることで復元でき、3色分解する前と全く変わらない映像を映し出すことができるという。価格は1作品あたり約1500万円。

FUJIFILMが昨年、3月をもって映画フィルムの製造から撤退しました。その時保存用フィルムは別という発表でした。図書館の記録用のマイクロフィルムの事だろうと思っておりましたが、実際はこの技術の事のようです。当然フィルムの長期保存、デジカメの長期保存の事も視野に入れている事でしょう。


映画界では技術的にも理論的にも古くからあった技術です。テクニカラーカメラと言うカメラでRGBのそれぞれのフィルターを通過させた画像を3本のモノクロフィルムに同時に記録してその後『ダイトランスファー』という方式で一本の映写用フィルムを作成するというものです。



特許と検索しますと5件程出ますので、それぞれ関係する特許をクリアしているのでしょう。ダイトランスファープリント自体は米国の有名カメラマンが使っていたものですし、今でもやられていた方がいる事も新聞の多摩版で数年前にみました。どのような方法か興味のある方は動画もあるようですので、検索してみて下さい。