QSS23型の機械維持の諸問題

古い機材を長く継続 維持して行く為に必要なことはその道に長けたスペシャリストの連携が必要です。電気関係・機械関係・出来ればソフトに長けた人も必要です。
トラブルがあった時に集中して対処しなければなりません。昨年末印画紙マスク・それらを動作するステッピングモーター並びにそれらを制御するPMドライバーと言う大切な部品です。今回のトラブルでは部品取りから付け替えても動かないという事がありました。

モーター製造メーカー及びプリンターの製造メーカー双方と交渉してもモーターメーカーは製造メーカーとの特約を締結してそれを楯に、情報を公開をしてくれません。
日本の場合特許の有効期間が20年で、この特約が特許を取得していないのに、今回のように19年という時間が経っても特許並みに情報が公開されません。
TPPでは特許の期間がわかりませんが、それにしても19年というのは、今後特許よりも長く情報公開されません。
モノづくり大国を標榜するのであれば、製品に対してユーザーである利害関係者であるという前提で製品製造終了後せいぜい7年で求めに応じ、8年で完全公開する事を原則にしては如何でしょうか?

製造メーカーは正規のパーツが在るか無いかを確認し、最も製造終了7年程で在庫終了しますので在庫はありません。そこで不具合があるパーツを交換して下さい。修理技術者をお呼びしましょうか?という流れです。そうすると製造して18年経過し19年目になってきますと、部品が故障した場合その部品自体が無いのがあたり前で、故障したパーツをどのように修理をするのか?部品が損傷した場合は、どのような方法で復元するか?という事になります。損傷パーツの場合その素材で対処方法が違いますが、瞬間接着剤なのか?エポキシ樹脂で補修するという事になりますが、一時しのぎでしかなりません。3Dプリンターか何かを持っていれば良いのですが、素材の強度、素材の特性で特徴がありますので、実際は単純に3Dプリンターが一台あればいいという事でもありません。機械に使われているABS樹脂・PPE樹脂etcと違うので、それらに対応した個別のやり方が必要になります。

古い機械を維持するというのは、サポートであったり専門知識やその筋の専門家のネットワークが重要になってきます。通りすがりの者です。というメールでアドバイスをして下さる方もいらっしゃいます。残念ながら機械のスペシャリストが居る訳でもなく、その都度壁に当たる日々です。

QSF V-30フィルム現像機の修理報告

朝フィルムを現像している時に異常を感じ現像を止めておりました。夜間サポートセンターと連絡している時に大きな音とともにバリバリギアが壊れる音がして、駆動Wギアと単ギアが壊れその在庫確認を依頼してメーカーからの翌日の回答を待ちました。


QSF V-30のロット番号から2011年にメーカー在庫無しとなっていました。機械メーカーから翌日の連絡で、関係先と調整して貰い射出成形で作ってもらいました。
いざギアが到着しギアを交換しても、びくともしません。

折角ギアをメーカーが作ってくれましたが、何故か動かない

フィルム挿入部も全て外します。モニター・カッターetc光線漏れに注意して外してゆきます。

ラインシャフトは、前後どちらかで抜くしか有りませんが、後ろにはスペースに余裕がありませんので、前に抜くしか有りません

フィルム現像機はラインシャフト(96cmの長さのステンレスの棒)と言ってモーターの駆動を7つの現像液の液中ラックを動かす構造になっています。

そのシャフトの動力をスムーズに伝えるのが、ベアリングというパーツがあります。フィルム現像機は化学薬品の独立した枡を搬送板(リーダー)にフィルムを繋ぎ現像・脱銀・硬膜・水洗・乾燥の順に処理する構造です。その動力を3ヶ所のベアリングがスムーズに動力を伝達する役割を果たしておりましたが、ベアリングがシャフトに焼き付きを起こし全く動かなくなり、ギアを2個破壊して停止してしまったと言うのが、顛末です。

最後部のベアリング薬品の影響を受けませんので、綺麗なままです。


ベアリングにはボールベアリングを包むように、グリースが覆っているので、セピアの粉状のモノが出てきた場合は、速攻で交換するのがベストです。



ギアはモーター軸に2個のイモネジで止まっているだけなのですが、特殊治具が無ければ壊れた樹脂ギアの金属部分が抜けません。しかしプーリー抜きという特殊工具に7mmのような細い径がなく手こずりました。


和田精工というベアリングの製造メーカーと連絡し焼き付きの対処方法を確認しましたが精度10/1,000mmの精度でノーリツ綱機に納品しているのでシャフトに傷を付けないようにというものでした。案の定ヤスリをかけずに試しに新しいベアリングを入れた所、焼き付きの所でそれ以上は入って行きませんでした。

WTWのベアリングの手前下側の塩ビパイプの下の方にベアリングが固化し粉体化して粉状のモノが溜っていました。

ベアリングが到着し単なるステンレスの丸棒ではなく途中加工してあり、パーツもありませんので造りました。

内径13mm のパイプも探せなく注射器にアルコールを入れて、樹脂のハンマーでベアリングッを叩いて抜きました。
焼き付いた箇所をテーパー仕上げして新しいベアリングを挿入することができました。


ウォームギァの下には切り欠きと樹脂で逆回転しないような加工がされています。

ラインシャフトをセットして修理完了です。

まとめ
今回の修理に際しても、2011年に在庫無しになっていました。その為メーカーに射出成型で製造してもらいましたので、パーツ費用が高かったようです。このギアが無ければフィルム現像機は動きませんので仕方ありません。今回のトラブルでギアを作ってもらいましたので、これほどまで時間が掛かりました。

その間もフィルム現像機は、毎日電源を入れ、BFのエアレーションをしたり、薬品メーカーと打ち合わせをして、1番の現像液を相当量を抜いて新しい現像補充液で対処しました。その後も増感現像をしましてネガの肉乗りを確認しましたが、肉乗りには全く問題ありませんでした。

現存写真店約5,000店の3割が現像機を保有していているといわれております。3割は1,500店在る単純計算で6割がフジとして900店になります。相当数はフランチャイズ店もあるでしょう。4割がノ―リツetcとすると600店が未だフィルム現像機を保有している単純計算になります。600店のうちのQSF V-30が何台あるかは、知りませんがN&Fの担当者からは類例はないと言われておりますが、いつ何時このような故障が起きるとは限りません。その為にWeb上にこんな情報がころがっている事は、参考になる事もあるかもしれなせん。

只2Bのフィルムが現像処理出来るものを何れだけ保有しているかは知りませんし、フィルム現像機で135専用のものが、中古業者の在庫にあると言う事は、廃業が影響しているのでしょう。120・220フィルム現像ができるフィルム現像機が増々中判カメラ愛好家にとりまして、価値あるものになります。
ポジで中判フィルムで撮ってもデジタル加工しかほぼ救いがありませんので、アナログ愛好家を自認されるのであれば、印象色に近い柔らかな表現が出来るネガフィルムをお試し下さい。2000年にアナログプリンターが終了して、16年が経ち6PW・4PWにアナログプリントで拡大してフィルムからのデジプリと比較してみました。全てがデジタル環境下ですが以下のコンテンツが気になる方は、以下のサイトで静止画でご確認下さい。デジタルプリンターはフジ製フロンティア350・Noritsu29型・Noritsu37型でデジプリ比較しています。
http://ginentaiken.com/
フィルムで撮ってもデジタルプリントの色の鮮やかさ・夕方の繊細な情景が生ききと・デジタルの表現は硬くアナログでは柔軟な表現・レンズの撮影条件が悪いときの比較・色の再現と飽和・プリンターのアプリのせい?フィルムのもっているコントラストがデジカメ写真の様になる?・存在しているモノも無きものに?iso100フィルムにおけるデジカメプリントの比較
SLの黒の締まりは現在のデジカメプリントではどのように再現されるのか?日光で撮影した赤い電車の再現性は?

当店ご利用のお客様にはご迷惑をお掛け致しました。

2Bが流せるフィルム現像機 QSFV-30 の事

QSF V30をいじっている動画がYou Tubeにありましたので張り付けます。
https://www.youtube.com/watch?v=YCi43syQENI

フィルム現像機に興味がある方は、ご覧になって下さい。カメラが目紛しく動くので、視聴要注意!
Asのフィルム現像機は後方に在る駆動モータにギアに接続しておりその駆動樹脂ギアが2個ありギアが弾け飛んでしまいました。
上記動画は5度時系列に止めていて、5回目の時に(後半ギリギリの所にそのギアが写っております)後方のWギアと単ギアの同型のモノが当方では破損しました。指が触れているのがWギアでモータから駆動に繋がっているのが単ギアで両方とも今回破損してしまいました。


大事な2Bフィルムが使えるQSF V-30のパーツをこの動画では、売れるリユース可能部品はそのままで、ファンとか単純なものしか外していないようです。基板・スイッチ・モータ・乾燥ラック・フィルム挿入部・はスクラップにした様でとても残念な事です。フィルム現像機についてメーカーが把握している情報ではラボの3割しかフィルム現像機を置いていないというのが実情のようです。お客様におかれましてはパーツがくるまでもう少々お待ち下さい。お急ぎの方は基幹ラボに当方から依頼しますのでその旨申し付け下さい。

16年振りに現在のフィルムからデジプリのファームの検証をしてみた

現在使っているQSS23型は製造が1997年製で銀塩写真の実働機として一台だけと言われていて、動いていない機械は、N&Fのサポートセンターに一台と旭川からお店に部品取りとしてある3台のみなのかもしれない。もし未だ此処にあるよとご存知の方は、情報をよせて下さい。20世紀末に何れだけフィルムが優れているのか又その特徴を、AsサイトでもこのBLOGでもフィルムをデジタルにスキャナーで仮想データ化してプリントした場合を危惧して当時は書きましたが、お客様からの反響があった程度で、その後定期的に検証していなかったので、今回昔馴染みの先輩同業者にお願いをして、お客様のネガをお借りして、プリントして貰いました。
そのデジタルスタジオは、TVで『潰れない写真屋』として紹介される程それぞれ分業の専門家集団でありQSS37型のオペレーションをしている技術者は経験豊富な方でプリント畑をずっと経験されている方です。その様子を動画で撮影させて頂きました。

Lサイズと6切りワイドでプリントして頂きましたが、一度は納得がいかず、2度スキャンをして納得してプリントした物です。
20世紀中にフィルムをデジタルに変換する時に、メーカー側のファームで形成され 輪郭補正・肌色補正・シャープネス・色調が派手になる・ISO感度が余り反映されないetcというように変化する特徴があります。
16年後改めて、当時と大きくは変わっていないという事を感じました。デジタルの現場ではメーカーからファームが更新され、更新前と更新後の両方を比較すると、シャープネスがどんどん際立っているとベテラン技術者からお聞きしました。

このベトナムの女性は今年高校2年生のお客様が撮影され、他店で現像されQSS29型でプリントされたアルバムをもってこられたモノです。そのネガをお借りしてQSS37型で6切りワイドでプリントしたモノをスキャンしたものです。フィルム→HS-1800でスキャニング→QSS37型でデジタルプリント

洋服の虫食いがあり、それを所々白い布を当て繕っていますがデジタルプリントではファームで殆ど当て布が消えてしまっています。

こちらは、QSS23型の銀塩写真のアナログプリントを6切りワイドです最初に現像した所の現像の癖なのか、全体とうしてシアンぽいのでマイナス1キーシアンを抜いてぷりんとしたものです。DXコ―ドでアルゴリズムを呼び出し技術者が判断してモニターと実焼きの違いを考慮してプリントします。

こちらのアナログでは、右袖の部分の逆光線の光の際にある当て布をした繕いがプリントされています。

銀塩写真プリントとデジタルプリント写真の違いを16年振りに比較テストという形でやった物を見ますと、見る環境やデバイスが違っていたりしますので人により感じ方が違うと思いますが、メーカー側のファームで形成され 輪郭補正・肌色補正・シャープネス・色調が派手になる・というように変化する特徴が変わっていないというのが印象です。両方のプリントが共通しているのは目視では、画面よりも濃度が上がりくらい印象です。

21世紀になる前に同じ市内の高校の部活の父兄に常連のお客様がいてその方にフィルムでハンドボールの試合を撮ってもらい、別な父兄にはデジタル一眼でその試合を撮ってもらい部活卒業のプレゼントにしてもらいました。銀塩写真を四つ切りワイドでプリントしたモノとデジタル一眼で撮影した四つ切りワイドのデジタルプリントで比較した処銀塩写真は、プレーヤーの青いユニフォームは泥だらけでしたが、デジタル一眼で撮影した四つ切りワイドのデジタルプリントでは驚いた事に青いユニフォームが泥で汚れが目立たず綺麗なままのプリントされていたのです。此処で確認した事は銀塩写真プリントを続けようと言う当時の原動力になりました。月日が経つのは早いもので、その高校も移転して今は市内にはありません。

スキャンもデジタルでモニターもデジタルという土俵で私の感じる事は、当然ありますが、それを語る事は、身贔屓のようになりますので、両方のプリントを見ますとこんなに違うと感じる事でしょう。こう変わってしまったら、16年前に感じた自身が10歳の時から父に暗室の手ほどきを受け写真に関わってきてそれがこのように変わるのが嫌だと思い、自身の努力で銀塩写真が残せるのであればという思いで続けてきました。

昔から神は細部に宿ると言われています。その細部がここまで質感を変えてしまっては、アナログの銀塩写真を今まで続けてきた事は、決して楽ではないけれど、写真の為には間違いではなかったと思う次第です。 光は粒子であり粒子をフィルムで捉える事は自然な道理だ。 銀塩写真伝導師

靴屋さんの最近のコマーシャシャルからみる本物のアナログ銀塩写真への考察 

最近のTVコマーシャルでクライアントがABCマートのCMですがアナログレコードだったり、真空管のアンプ、またフィルムカメラで今どきのデジタルカメラではなくフィルムを際立たせるというコマーシャルです。最後にカメラの中に入っていたのがポジフィルムだったんだよ!というこだわりの靴という所がコンセプトのようです。





ABC マ−トCMより

ポジフィルムが減少する中、写真に携わる者が共有している10年以上前にKodak富士フィルムもポジ用の印画紙の製造を止めてしまっているということです。


たまに、フィルムカメラ銀塩写真)派と自己主張する方から電話がかかってきて、まったくとんちんかんな内容の質問です。お宅のプリンターは銀塩をやっているようだけど、ポジはプリント出来ないのか?というものだったり、今はお任せっきりで現像を出すとプリントまでやってくれる云々クラブという団体の説明です。


これらポジフィルム撮りはデジタルの仮想データに変換して成立していて純粋にアナログプリントではないと言う根本を理解していないようで、高額のフィルムカメラを使っている高齢者が相当数いるようなのです。好意的誤解としてスルーしているのか、主催者が理解出来るまで説明していないのか?当方の知るところでありませんが、


前段のTVコーマーシャルでのこだわりは良いのです。またフィルムは歌にも沢山テーマとして使われてビートルズのメンバーも歌っています。ポジフィルムをマウントに入れてキャビンやKodakのスライドプロジェクターで大きくして見る米国のかってあった写真文化を楽しむものです。同じ趣味の日本人は現在絶滅危惧種のようです。


写真業界で以前あった0円プリント時代の非常にコントラストが付く現像液の会社も消滅し、異常にコントラストが付く現像液と機械もカタログから無くなりました。
現在のネガカラーは、デジタル時代にふさわしく?コントラストが結構つきますので、ポジフィルム好きにも満足いけると思います。またフィルムを選びましたら、彩度が強い派手好みの方も試してみてはいかがでしょうか?ネガカラーフィルムから in→out まで一貫した銀塩処理になるという事になります。


日進月歩様々な変化がある中、純正にこだわっているとアナログ印画紙+アナログ銀塩写真をフィルムメーカーが既に維持していないというのが現実世界です。

写ルンです30周年によせて(知って得する情報)

写ルンですはiso400とiso1600の2種類の感度が販売されています。当然アナログのフィルムです。アナログ銀塩写真にした方がネガフィルムのらラチュードの広さを堪能出来ます。アナログ銀塩写真が焼けるプリンターが存在しているうちにアナログ写真を経験してみて下さい。印画紙もアナログ印画紙でセットで経験した方がベストです。デジタル変換するデジタルプリントとは一線を画します。百聞は一見に如かずアナログですから焼き手が変わればプリントも変わります。


新人カメラマンの奥山由之さんの写ルンですの撮影は写ルンですの性能を熟知して撮影しているのが以下のサイトから読み取れます。フィルムの事をあまり理解していなければ不思議と受け止められるかも知れませんが、理解してから使うのと只性能と機能の知識のないまま、コンデジ同様に使いますと上手くいかない。フィルムは良くないと結論を出してしまいがちです。また、奥山さんのようには旨く撮れないと落胆するでしょう。メーカーのバックアップがありあのプロモーションでも相当な本数を撮影しているようです。1/125絞りf11前後の光線状態の時にはノーフラッシュで旨く撮影出来ます。
スタジオの空間も色温度5400ケルビンに作り出すとこれに準じた撮影が出来ます。

また、フィルムメーカーは奥山さんモデルのオリジナル写ルンですを販売する力の入れようです。

http://spotlight-media.jp/article/168603345325963047

上からフィルム感度400 Kodakフィルム感度800 フィルム感度1600です。

ーまとめー

写ルンですはiso400のX-TRAフィルムが入ったタイプとiso1600のナチュラフィルムが入った2タイプがある。


・パララックスを理解しましょう。撮影レンズとファインダーの距離のずれがあり特に近接撮影で大きくなります。ファインダーの左角に『 のマークがありますが撮影レンズ側に調整して撮影しませんと無駄な構図で撮影する事になります。


・固定焦点でシャッター速度も固定のレンズシャッターの機能であり1m以内の接写は不得意でアナログプリントでも場合によりますが救済が不可能です。


・赤ちゃんを撮る場合も同様でファインダーは単なるフレーミングの為の枠で、ファインダー枠一杯に赤ちゃんを入れて撮ろうものなら、アナログの銀塩写真プリンターでも救済は不可能です。ピンぼけになります。


・UPで撮りたいという衝動を堪え手を伸ばした片手位を確保して撮影する事、ネガの画素が600万画素程度あるのでトリミングして銀塩写真プリントでUPに引伸しが可能です。


・適宜フラッシュを使う事 例 (日陰 ・屋内・室内での結婚式や披露宴・夏の日差しで帽子を被っていて日陰で表情がでない時はフラッシュを)


・フラシュを発光させた時に周辺光量が落ちる。しかしそれを効果として使うと面白い写真になります。アセテートレンズでフラッシュの性能を鑑み光量低下の修整は難しい。iso400でフラッシュの到達距離1〜3m・iso1600で1〜6mです。


・撮影する時に知らず知らずレンズの前に指を置かないように。またフラッシュを指で塞がないようにしましょう


・屋外での撮影では絞りが絞り込まれているのでパンフォーカスで撮れます。腕を伸ばし指をみつめ眼を細めたり開いたりした時の指以外の背景の具合が眼を細めた時の背景がしっかり見える状態に写ります。奥行きもしかり写ります。


・結婚式・修学旅行・課外学習での失敗が多いのは、暗い所でのフラッシュの焚き忘れと、フラッシュの性能以上の距離で撮ってしまう事です。そんな時カメラを縦にフレーミングして人物撮影して切り抜けられる事が実に多いという事です。
横位置でどん引きで撮影するより人は縦長ですから縦に撮ると良いという事でもあります。


・フラッシュの到達距離を理解して撮ってみましょう。iso400でフラッシュの到達距離1〜3m・iso1600で1〜6mです。レンズシャッターなので日中でのシンクロ撮影も可能です。


写ルンですの構え方は右手は凹凸に合わせてグリップして、左手が重要で写ルンですの左下部を指を曲げるようにホールドしましょう。指でフラッシュ塞いで失敗する事を防ぐ為です。


・ファインダーにぴったり接眼してみましょう距離を離して覗いて撮影しますといい加減な構図にしか撮影出来ないでしょうメガネも外して撮った方が構図は確かなものになります。


ー番外編ー

・撮影レンズに虫眼鏡を付けて接写撮影したり、フラッシュに黒いストッキングを重ねてフラッシュの光量を調整をして撮影して面白い効果がでます。カラーのゼラチンをフラッシュに付けても面白い効果がでます。その場合はどのように撮影したかを、ラボに説明してから現像の依頼をした方が、理解してプリントが出来イメージに近いものになるでしょう。


・ネガカラーは同時プリントのプリントが全てではないという事をご理解下さい。極端な話自身のイメージを追求しようとカラーのレンタルラボに行ってトコトン納得出来るプリントをネガがある以上試行錯誤して焼く事さえ出来るという事です。勿論写真店・ミニラボでもそれは可能です。



以下が以前メーカーから販売していた接写装置です。以前はフィルムカメラを熟知した利用者が旨く利用して撮影した人が希にいました。が、子供達が宿題で撮影していた当時は接写装置を使いこなしていなかったというのが印象です。

デジタルかそれとも銀塩写真か決断

2016年のミニラボ銀塩写真の状況をお話する前に20世紀と21世紀の分岐点が重要で業界団体がアナログ銀塩写真プリンターの製造中止を決定しました。混乱と不安の中、今後はデジタルカメラに移行しデジタルプリンターを選ぶか?業界から退場するか?マーケットが無くなる訳で自立的に細々とやって行くか?という分水嶺に立たされました。

やりたいことと提案型ビジネス
王道のデジタルプリンターを選択したならば、将来が約束されたようなセールストークでした。それ以前にAPSの5社連合が導入したAPSの基準を満たす為のごたごたを経験をしていましたので、そのセールストークには懐疑的でした。必要最低限でも昇華型のプリンター・APS用ネガマスク・フィルム現像機の改良・APSデタッチャーetc約250万円の出費です。


フィルムをないがしろにしたピクセル設定
デジタル機のスペックをチェックした時ネガフィルムをデジタルスキャンをしたLサイズの画素が150万画素で2Lサイズで300万画素で更に大判のプリンターのインターフェイスで150〜200万画素です。
その根拠が肉眼の認識で300万画素で良いという事でした。例えばネガの場合はトリミングだったり自在に可能であるにも拘らず、肉眼レベルで良いというのは解せないし、当時最低でも800万画素のインターフェイスならば自身の気持ちが動いたかもしれない。デジタル変換時のジャギーだったりエンハンサーetcについても少しは克服出来たと思う。しかし業界団体は一番使われているLサイズ150万画素を技術レベルを天秤にかけ実行した訳です。

激減する写真店
デジタル機に移行し写真屋は激動の時代に入り結果は投資した金額も回収も出来ず惨憺たるものでした。全国で25,000店あった写真店が6,000店をきって5,000店台とも言われています。写真プリント業界は専門性があり国内のメーカーによる提案型ビジネスで4〜5社の中から何処のメーカーを選びますか?というものです。

21世紀初頭デジタルプリンター一式グレードに差ははありますが、当時1,800万円程ですからそれまでは右肩上がりで推移しましたが、売り上げは1997年がピークのようです。1980年頃ミニラボをやっていたらビルが建っていたかもしれませんが、実感的には単に店の立地条件だったり、他のファクターであったり、業界の提案書に描かれてあるものとはほど遠いものです。

フィルムが好きで焼いているから他人が見れば苦労と思っても続けられる
フィルムが好きなので、Lサイズで150万画素には承服出来ず現在もフィルム寄りに立ちQSS23型を2と1/2個いちで部品を取りながら銀塩写真を焼いているうちにQSS23型全国で一台だけになりました。


フィルムは専門性が必要で継続して続けられているもので、古い時代のフィルムの色合いを覚えていなければ、現在のフィルムに活かせない。今となってはタングステンフィルムがある事や昼光色フィルムだけではないし、120・220 4×5というように種類も多い訳です。ユーザーが減ってくると一本のフィルムに蛍光灯・Led・タングステン・昼光色の下で撮影され、しかも撮影から現像まで時間が経っていてプリントが難しくなります。撮影後直ぐ現像をしないで時間が経過してしまうと潜像が時間経過とともに電子的に変化して鮮鋭度が落ちマゼンタ系が変化する傾向になります。


プリンターやフィルム現像機の宿命的構造
フィルム現像機も銀塩写真プリンターもある定量の処理を毎日や一週間位に消費して薬液が一順して安定出来ているモノです。街の写真店にはフィルム現像機が置かれていても実際は動いていなかったり、フィルムは仕上りに時間がかかります。と言われる所が多くなっています。そのような店では集配の基幹ラボに現像をまかしています。フィルムを定量処理しなければ薬液の品質が維持出来ません。ですからウチでは頻繁にコンストを流して薬液の状態を検査してプリントしています。特にアナログ銀塩写真はデリケートなモノです。プリントの処理量と薬液の補充量の関係は銀塩写真プリンターも同様の事が言えます。また安定的維持をする為でしょうが、インターネットで馬鹿安値にしたりチケット性にして特典で囲い込んだりしている訳です。


フィルムユーザーの世代の継承
お店には、フィルムカメラの使い方を孫に教えて欲しいというお客様とかこられますが、社会の中でフィルムの世代継承の為の企業努力はどうでしょう あまり力を入れてこなかったというよりもスルーしてきたという感じではないでしょうか?フィルムは古くさくて魅力的ではない。といわれればそれまでですが、米国ではB&W銀塩写真のユーザーは熱心なユーザーが多いと米国在住の写真家から聞いております。
アナログの魅力が音楽で再認識されていても、写真の世界では、デジタルのアプリケーションソフトで『なんちゃって銀塩的なもの』で、済ましてしまう傾向にあり、フィルムユーザーの世代の継承を怠ったからではないだろうか。フィルムをデジ焼きしたものとネガを焼く銀塩写真は違います。
2010年から子供達にリユースフィルムカメラでフィルム写真を教えるという活動を『銀塩の絆』でやってはいるんですが、、、中判の安くなったフィルムカメラをオークションで探したり、お爺ちゃんのカメラを譲り受けたり、、、求めたら道は開けるでしょう。ケータイのアプリで簡単な露出計でもネガフィルムならけっこうつかえます。休んでいるフィルムカメラの眼を覚まさせる事が出来るのは貴方です?中判はフィルムの種類が減少していますが、アップサイクルでブローニーフィルムに35mmフィルムを巻いたActive Flmを使えば中判カメラは無駄にならないで済む筈です。特徴はISO1600とか800とかブローニーフィルムとしては売られていないフィルムで撮影が出来るので視界が広がります。従来のものとは違うアプローチで写り方も違います。ブロー二ーのスローライフな写真生活をはじめてみませんか。

子供達は暗室で自分で撮影したフィルムでセイフティランプの明かりの中から画像が出てくると、感動の声を上げます。この感動と体験が重要で、このようなボランティア活動ができるのも、26年前に小平市に移転した頃からこの施設を利用しない手はないという事で、アルバイトスタッフの武蔵美の学生に勧めたり、卒業制作をプリントした学生達もいます。このような施設を小平市が維持している事が、ボランティア活動には欠かすことができません。子供達に銀塩写真体験を通して写真の面白さ味わって欲しいと思うし、私自身も十歳の時父からそのように、経験させてもらい現在の仕事に繋がったのかと思います。写真には一定の知識が必要です。大人がある程度はじめのとっかかりを子供達に提供してやる事は、アナログな銀塩写真の面白さを伝える事になります。博物館や美術館でやられるものとは違うアプローチで写真の面白さを伝える事ができる筈です。リユースの素材を使って子供達にフィルムを作るところからやってもらい古いベーシックなカメラや・写ルンですでトライしたら、レンズ・カメラのの構造が理解しやすくこの方法であれば楽しく写真体験が出来ます。